そうめい堂コンテンポラリーに新しいアーティスト、高橋 梓が加わりました。
高橋梓はリトグラフ作品をメインに制作しています。リトグラフは、当初は印刷、つまり量産目的で発明され、マチエール(作品表面の肌合い)はありませんが、高橋はそのフラットさにこそおもしろさを感じているといいます。
東京藝術大学の修了制作である鳥のシリーズは、彼女が幼いころより父と出かけたバードウォッチングが制作のきっかけの一つとなっていて。鳥の美しいフォルムや個性的な色調は、彼女にとっては何者も超えられぬ素晴らしい存在であるといいます。その存在を手元に写し取る際、版画という一過程を挟むと、それが一つの余白となり、対象と作家の距離をうまく保つようです。時には個人的なエピソードも挟みながら、唯一無二の図鑑のように構成されていて、収集することが楽しくなるシリーズです。
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